麼
麼
名詞
標準
文例 · 用例
誰が目にも見違へるわけのものではないが図抜て余り大いから一寸は気がつかぬであつた、何の畠でも、甚麼履歴のある沼でも、此位な蛭はあらうとは思はれぬ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
其の瀧が荒れましたと申しまして丁度今から十三|年前、可恐しい洪水がございました、恁麼高いところまで川の底になりましてね、麓の村も山の家も残らず流れて了ひました。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
)(それでは恁麼ものでこすりましては柔いお肌が擦剥けませう、)といふと手が綿のやうに障つた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
(貴僧、お傍に居て汗臭うはござんせぬかい飛だ暑がりなんでございますから、恁うやつて居りましても恁麼でございますよ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
(恁麼に太つて居りますから、最うお可愧しいほど暑いのでございます、今時は毎日二|度も三|度も来ては恁うやつて汗を流します、此の水がございませんかつたら何ういたしませう、貴僧、お手拭。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
)(那の流れは其麼病にでもよく利きます、私が苦労をいたしまして骨と皮ばかりに体が朽れましても半日彼処につかつて居りますと、水々しくなるのでございますよ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
那様にございませんければ恁うやつてお話をなすつて下さいまし、淋しくつてなりません、本当にお可愧しうございますが恁麼山の中に引籠つてをりますと、ものをいふことも忘れましたやうで、心細いのでございますよ。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
昔から物語の本にもある、屋の棟へ白羽の征矢が立つか、然もなければ狩倉の時貴人のお目に留まつて御殿に召出されるのは、那麼のぢやと噂が高かつた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫