山峰
さんぽう
名詞
標準
文例 · 用例
遠景、渋谷越の山峰は日暮れの逆光線に黝んでいる。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
震える手で明い処へ持出して、顔を見られまいと、傍目も触らず、血の上った耳朶を赧うして、可愛らしく畏って、右見左見、「おやおや、大倭家内松山峰子様行と書いてあるねえ。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
墓は、神月梓、松山峰子、と二ツならべて谷中の瑞林寺にある。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
峨々たる灰藍色の山峰湧くが如し。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
雪を冠った山峰の牙は不意に機体の腹部をめがけて、競い上る。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
下り舟岩に松ありつゝじあり 或は千仭の山峰雲間に突出して翠鬟鏡影に映じ或は一道の飛流銀漢より瀉ぎて白竜樹間に躍る。
— 正岡子規 『かけはしの記』 青空文庫
しかし大江戸の真中へ、ここから直線を引いてみたとて十五里とはないでしょう――そこで二里三里と進んで、武蔵野をわけて行くほどに、例の武蔵アルプスが遠ざかり行くにつれて、軒を離れて棟を見るような順序で、山山峰々が、それからそれと現われて来る。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
瑞の山峰には夏でも雪をとどめ、北極海では太陽が宵にもかかわらず照らす。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫