掻き抱く
かきいだく
動詞
標準
文例 · 用例
(両手を拡げて未来を掻き抱く如き振をなす。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
小沢栄論アレキセイ・ヴロンスキイ様はアンナ・カレーニナ様をひしと掻き抱く小沢栄の熱演主義はいいはひまわるときは雑巾をかけるやうに倒れるときは骨も砕けよと――。
— 詩集(12)その他の詩篇 『小熊秀雄全集-13』 青空文庫
最後の電鳴のはげしさに、思わずすがりついた新子を掻き抱くと、どちらからともなく、唇を合わせてしまった楽しい秘密も……。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
(いざり寄つて掻き抱く)袈裟!
— 菊池寛 『袈裟の良人』 青空文庫
掻き抱く気味にぶつかってくる。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
と、気管の破れから、梢を渡る木枯しのような息を高々ともらした外記、二、三秒、眼前の虚空を掻き抱くがごとく見えたが、瞬時にしてどうッとふき出た血潮の海に、踏みこらえようとあせって足がすべって、腰の一刀を半ば抜いたなり、思いきりよく庭へのめり落ちると、ばあんと鼻ばしらが飛び石を打ってたちまち悶絶。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
その仙人化されてゆくところに私は大なる興味をおぼえ、快い笑みを浮べつつ歓喜の心を掻き抱く。
— 飯田蛇笏 『茸をたずねる』 青空文庫