思い当たり
おもいあたり
名詞
標準
文例 · 用例
」 銀子はその言葉に思い当たり、なまじい美しい着物なんか着て、男の機嫌を取っているよりも、これがやはり自分の性に合った仕事なのかと、生まれかわった気持で仕事に取りかかり、自堕落に過ごした日の償いをしようと、一心に働いた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」 銀子はまたしても自分の迂濶に思い当たり、大きな障害物にぶつかったような気持で、どこを洗っているのか浮の空であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
だんなのお捜しになっていらっしゃる鉄山殺しの下手人に思い当たりがござりますので、それを引き換えにしていただきとうござりまするが、いけませぬかな」「なにッ?
— 耳のない浪人 『右門捕物帖』 青空文庫
そういわれれゃ、二つとも左胴ばかりをぶった切っていたこと今あっしも思い当たりやしたが、大きにそれにちげえねえや。
— 村正騒動 『右門捕物帖』 青空文庫
家人はそれを聞いていかにも思い当たりおり返していろいろと聞くと、その小ヘビはじつはこの前の淵の主の使者で、この家の三番娘を嫁にほしいので遣わしたのであった。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
おとうさまが縁談の初めに逢いたもうて至極気に入ったとのたまいしも、添って見てげにと思い当たりぬ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
なにも知りませんとお答えしてたら、あなたはなにか隠してると言われてしまって」「そして中野さんは泣いたのでしたね」「泣きました」「なにか隠してる、とまで言われなければならない理由は、思い当たりますか」「いなくなって三日めのことですから、混乱なさってたのね。
— 片岡義男 『道順は彼女に訊く』 青空文庫