獰
獰
名詞
標準
文例 · 用例
」 下顎骨の長い、獰猛に見える伍長が突っ立ったまゝ云った。
— 黒島傳治 『穴』 青空文庫
」軍医と何か打合せをしていた伍長が、扉のすきから獰猛な顔を出して、兵舎の彼に呼びかけた。
— 黒島傳治 『穴』 青空文庫
獰猛な伍長よりも若そうな、小供らしい曹長だ。
— 黒島傳治 『穴』 青空文庫
中尉は下顎骨の張った、獰猛な、癇癪持ちらしい顔をしていた。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
たとえ相手の乗客が不正行為をあえてしたという証拠らしいものがよほどまでに具備していたにしても、人の弱点を捕えて勝ち誇ったような驕慢な獰悪な態度は醜い厭な感じしか傍観している私には与えなかった。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
が顔はブルドッグのように獰猛で、美しい縹緻の金魚を媒けてまずその獰猛を取り除くことが肝腎だった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
自然と人とは、時には獰猛に闘い、時には肉親のように睦び合った。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
だがこの老人の人に対する愛情は、人と同じ水準に立っては注ぐことは出来ないので、無理に高く自分を持ち上げて、その位置から獰猛に流しかけるのである。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫