心奥
しんおう
名詞
標準
文例 · 用例
それは量的に拡がり得るが質的のインテンシチイにおいてはなはだ足らず、心奥の神秘を探究するのにいかにも竿が短かい。
— ――教養と倫理学―― 『学生と教養』 青空文庫
誰でもそういう面にはひとかたならない関心を(自覚しているといないにかかわらず内心奥深く抱いているということが)きく顔々にもあらわれるから[自注25]。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
また、私はいつも私であっていいのだ、という確信をもって生きたい、そのようにして生きる条件を見出したいと思う願いも、今日私たちのまわりに高鳴っているおびただしい若い女性の心奥に絶えず動いている念願ではないだろうか。
— ――パール・バック著―― 『『この心の誇り』』 青空文庫
ことに複雑した心理の、近代人の、しかも気の変りやすい、動きやすい女性の心奥の解剖は、とても、不可能であると思っている。
— 長谷川時雨 『芳川鎌子』 青空文庫
内殿に溢れたる光明はやがて私の小ひさな胸底の暗を照らして、さゝやかなる光明の世界を私の心奥に形作る。
— 吉田絃二郎 『沈黙の扉』 青空文庫
此の点よりいへば伯は無意義の辞職を申出でて、徒らに党員の感情を惑乱せしめたるに似たるも、実は伯の心奥に感慨自ら禁ぜざるものあり、乃ち名を辞職に藉て一大警告を党員に与へむと欲したるに外ならじ。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
人間心奥の慈悲の願望が、その求むるところを人体の形に結晶せしめたものである。
— 和辻哲郎 『古寺巡礼』 青空文庫
乾物のような思想と言葉とを振り捨てて、汝の心奥の声を聞け。
— 和辻哲郎 『転向』 青空文庫