角鹿
つのじか
名詞
標準
文例 · 用例
五客の中|河良佐と池希白とは、途上|角鹿津に於て別れ去つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
「初夏三日、与諸君取道湖西、抵越前角鹿津、与河池二君別、余輩経若狭、入丹後、観天橋、踰大江山帰、往来十有五日」と、樵歌に記してある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
それは其でよいとして、さて、其夜お定りの床盃がすみ、彌よ嫁御が死ぬる段に成て、叔父が較や遠方から偵がふと、怪しむべし、新夫婦のみ籠つた新築の離れ屋の、ぐるりの石垣に、幾らともなく横さらふ角鹿の蟹樣の物が取付き這廻る。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
折角鹿や猪を売ってやろうとおっしゃるような親切な方に、そんなことを云うものではありません」 と云ってから、今度は青くなっている動物園の主人に向って、「どうも私の主人は気が短いので、すぐ憤り出して済みません。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫
越前の敦賀は旧名|角鹿であったと言われ、日向の財部が後世高鍋となっているのも同じ道理で、近江には「男鬼」と書いてオオリと読み、信濃に小谷と書いて、オダリと読む地名がある。
— 喜田貞吉 『オシラ神に関する二三の臆説』 青空文庫
――陸には南蛮屋敷があり、唐人館の棟がならび、湾には福州船やスペイン船などの影がたえない角鹿(いまは敦賀と書く)の町である。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
「いよいよあの船へ、角鹿町の和唐屋から一|万両の銀を送りこみましたぜ。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
「この角鹿へ煙草を売りこんだ厦門船が、一万両の売り代を積んでかえるやつを、玄海灘あたりで物にしようというたくらみさ。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫