稗飯
ひえめし
名詞
標準
文例 · 用例
私は神様に使はれる身分で、何も食物の事など構はんのぢやが、稗飯でも構はんによつて、モツト安く泊める家があるまいかな。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
些し困るのぢや、私は神樣に使はれる身分で、何も食物の事など構はんのぢやが、稗飯でも構はんによつて、もつと安く泊める家があるまいかな。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
「赤木屋、おれは田中久太夫だが、見事、斬られてみるか」 赤木屋の南部藩の田中久太夫は使い手だということは知っていたが、抜くはずがないと多寡をくくって、「南部の稗飯食いに、人が斬れるのか。
— 久生十蘭 『ボニン島物語』 青空文庫
麦飯もよし稗飯も辞退せず五月十七日 丸之内倶楽部俳句会。
— 高浜虚子 『五百五十句』 青空文庫
「搦手の水の手までは、わずか二里半ばかりですが、どうして、二食分ぐらいの弁当は持たねばなりません」 茂助は、さっそく稗飯を炊き、味噌梅干など添えて、自分とも、十人分ほどの弁当を作った。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
しかし陽出づる雲の大海をながめながら柏の葉でつつんだ稗飯を喰う味は、生涯、忘れ得まいと思われるほど美味かった。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
灯と、温かい稗飯がほしかった。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
うんと力を入れて……そうだその辺を」 蜘蛛六に肩を揉ませながら、猿のほうを見ると、猿は、朝の稗飯を食べてしまうと、例の如く独りだけ隅ッこにいて、達磨のまねをしている。
— 吉川英治 『茶漬三略』 青空文庫