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あべこべ

あべこべ
名詞-の形容詞形容動詞名詞
1
標準
contrary
文例 · 用例
な、お前がいくら頑張ったって、船長も云ったように、一億円の船会社にゃ、勝てっこないんだから」 セコンドメイトは、デッキの上と橋板の上とでは、レコードの両面見たいに、あべこべの事を云い始めた。
葉山嘉樹 浚渫船 青空文庫
そこで私はすべての印象を反対に、磁石のあべこべの地位で眺め、上下四方前後左右の逆転した、第四次元の別の宇宙(景色の裏側)を見たのであった。
散文詩風な小説 猫町 青空文庫
藤吉はあべこべに云いまくられて、そのくやしまぎれに、お前が禁断のむらさき鯉を売り込んで、荒っぽい銭儲けをしているということを俺が一と言しゃべったら、ここの家にぺんぺん草が生えるだろうとか何とか嚇し文句をならべて立ち去っても、宇三郎はおどろかない。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
なあ、お香、いつぞや巡査がおまえをくれろと申し込んで来たときに、おれさえアイと合点すりゃ、あべこべに人をうらやましがらせてやられるところよ。
泉鏡花 夜行巡査 青空文庫
科学の目的といえばもともと自然から学ぶということよりほかには何物もないはずであるのに、いつのまにかこの事を忘れ思い上がった末には、あべこべに人間が自然を教えでもするもののような錯覚を起こす。
寺田寅彦 沓掛より 青空文庫
純朴な田舎の人たちに都会の成金どもがやたらに札びらを切って見せて堕落させたなんて言うけれども、それは、あべこべでしょう。
太宰治 やんぬる哉 青空文庫
一刻も早く修理したくて、まだ空襲警報が解除されていないのに、油紙を切って、こわれた跡に張りつけましたが、汚い裏側のほうを外に向け、きれいなほうを内に向けて張ったので、妻は顔をしかめて、あたしがあとで致しますのに、あべこべですよ、それは、と言いました。
太宰治 青空文庫
ああ清々した」 中腰になって浮かれ立つ赤猪口兵衛の顔を茫然と見上げている半三郎の顔を、あべこべに見下しながらヤット腰を卸した赤猪口兵衛は、汚ない膝小僧を一層大きく剥き出しながら詰寄った。
――博多名物非人探偵 狂歌師赤猪口兵衛 青空文庫
作例 · 標準
その説明はあべこべになってしまった。
子どもはよくあべこべに理解することがある。
その指示はあべこべだったのだ。
心理学ではあべこべに理解する現象が研究対象である。