照
てらし
名詞
標準
文例 · 用例
日、湖の面を照す頃舟を雇うて出ず。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
途中あかねさす西日は照れどひぐらしの鳴き蟲山に雨かゝる見ゆゆくゆく一人の少女のいと艶なるに逢う。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
あの子は容易に素足にならなかったから下駄をはいて池へはいったかどうか、池のどのへんからはいったか、下駄などが池に浮いてでもいるか、あなたちょっと池を見て下さい」 妻のいうままに自分は提灯を照らして池を見た。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
二坪にも足らない小池のまわり、七度も八度も提灯を照らし回って、くまなく見回したけれども、下駄も浮いていず、そのほか亡き人の物らしいもの何一つ見当たらない。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
水のように澄みきった秋の空、日は一間半ばかりの辺に傾いて、僕等二人が立って居る茄子畑を正面に照り返して居る。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
その一つ一つを表わす万葉仮名の各類を、その類に属する文字の一つ(ここでは『古事記』に最も多く用いられている文字)によって代表せしめ、且つ後世の仮名のこれに相当するものと対照して示すと次のようである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
渝らぬ契りの誰れなれや千年の松風颯々として血汐は殘らぬ草葉の緑と枯れわたる霜の色かなしく照らし出だす月一片何の恨みや吊ふらん此處鴛鴦の塚の上に。
— 樋口一葉 『別れ霜』 青空文庫
したがって、両語の発達を時代的に規定することが出来るかもしれない(『元禄文学辞典』『近松語彙』参照)。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫