穢悪
えあく
名詞
標準
文例 · 用例
骨組の如何にも逞しい身体、眼は血走って眉毛は飽く迄も濃く、穢悪な大きな低い鼻と云い、太く横に走った唇と云い、人間の獰猛な獣性が、身体全体に溢れて居るような男でありました。
— 菊池寛 『ある抗議書』 青空文庫
もとよりしか穢悪き心もて作りて、人を欺く道なるけにや、後の人の表べこそ尊み従ひがほにもてなすめれど、まことには一人も守りつとむる人なければ、国の助けとなることもなく、その名のみひろごりて、遂に世に行はるることなくて、聖人の道はたゞいたづらに、人をそしる世々の儒者どもの、さへづりぐさとぞなれりける。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
「しかれば穢悪濁世の群生、末代の旨際をしらず、僧尼の威儀をそしる。
— 三木清 『親鸞』 青空文庫
かくして、「しかるに濁世の群萌、穢悪の含識、いまし九十五種の邪道をいでて、半満権実の法門にいるといへども、真なるものは、はなはだもてかたく、実なるものは、はなはだもてまれなり。
— 三木清 『親鸞』 青空文庫
人形は精霊の代表者であり、或は穢悪の負担者であるから、此を平気に弄ぶまでには、長い時日を要したわけである。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫