人口に膾炙する
じんこうにかいしゃする
表現動詞-サ変-する
標準
to become well-known
文例 · 用例
しかも、仁三郎が完全に呼吸を引取ったアトの事で、御本尊の仁三郎のお陀仏自身にすら思い付かない……しかも仁三郎一流の専売特許式珍劇がオッ初まって、オール博多の人口に膾炙する事になったのだから痛快中の痛快事である。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
)われは此俗を歌ふ一曲の人口に膾炙するものあるを知れど、急にこれに依りて思を搆ふること能はず、(曲とは「フエミナ、ヂ、コスツメ、ヂ、マニエレ」と題するものを謂ふ、「ソネツトオ」なり、ミユルレルの羅馬と其士女との卷中に收めたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
この句は人口に膾炙する句なれども俗気多くして俳句とはいふべからず。
— 正岡子規 『俳諧大要』 青空文庫
三 人口に膾炙する『自然』についての小論の中で、ゲーテは云ふ、「過去も未来も自然は知らない。
— 三木清 『ゲーテに於ける自然と歴史』 青空文庫
この他、『唐詩選』の李于鱗における、百人一首の定家卿における、その詩歌の名声を得て今にいたるまで人口に膾炙するは、とくに選者の学識いかんによるを見るべし。
— 福沢諭吉 『読倫理教科書』 青空文庫
と申しますのは、大殿様とは御違いになって、天が下の色ごのみなどと云う御渾名こそ、御受けになりましたが、誠に御無事な御生涯で、そのほかには何一つ、人口に膾炙するような御逸事と申すものも、なかったからでございます。
— 芥川龍之介 『邪宗門』 青空文庫
古池や蛙飛びこむ水の音 芭蕉の一句は古今の傑作として人口に膾炙する所、馬丁走卒もなほかつこれを知る。
— 正岡子規 『古池の句の弁』 青空文庫
古池の句が人口に膾炙するに至りしは、芭蕉自らこの句を以て自家の新調に属する劈頭第一の作となし、従ふてこの句を以て俳句変遷の第一期を劃する境界線となしたるがために、後人相和してまたこれを口にしたりと見ゆ。
— 正岡子規 『古池の句の弁』 青空文庫