戯事
たわごと
名詞
標準
文例 · 用例
ソレから江戸に来て、江戸が東京となっても、芝居見物の事は思出しもせず、又その機会もなくして居る中に、今を去ること凡そ十五、六年前、不図した事で始めて東京の芝居を見て、その時|戯れに、誰道名優伎絶倫先生遊戯事尤新春風五十独醒客却作梨園一酔人と云う詩が出来ました。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
たつた一夜の、かりそめの戯事が、人間幾人の命を棒に振つて、こんな恐ろしい破局にまで導いてしまつたのです。
— 受難の通人 『錢形平次捕物控』 青空文庫
(人の品物を、怪しからぬ奴) 腹を立ててみたものの、元々、こっちの悪戯事で、この家に、責任を問う筋目はない、また、それほど大事な品物とも、彼女は考えていないのだった。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫
まあ、入りねえ」「いや、おれは博戯事に来たんじゃない。
— 火の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
ぼくは河べりに並んでいるオボコ釣りの人の間を見て歩いたり、悪戯事を見つけて、結構、飽きもせず遊んでいた。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
もと洛邑にお居での時は私のたわ言など、こんなに真面目に聞き入っては下さいませんでした。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
本来頼りにすべきあの方でさえ、神経質な女のたわ言だと考えるくらいなのですから。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
耳を貸したつて仕様がないし、たわ言に意味があるわけでもないし、だから私は、AはAでそんなことは叫びながらも深い苦し味があるものではなく眠気にさへ打ち勝てば好かつたのだから――私達は、勉強の余暇に散歩に出た学生のやうに呑気なのです。
— 牧野信一 『蔭ひなた』 青空文庫