膊
膊
名詞
標準
文例 · 用例
耳朶のちぎれかけた男も、踵をそがれた男も、腰に弾丸のはまった男も、上膊骨を折った男も、それ/″\、憐れみと、懇願の混合した眼ざしを持って弱々しげに這入ったきた。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
イベットは両手で小田島の腕を握り、毛織物を通して感じられる日本人独特の筋肉が円く盛上った上膊に顳※を宛がった。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫
」がんぢやうな前膊の皮膚はやや赤味を帯びて、見るから健康を語つてゐる。
— 平出修 『二黒の巳』 青空文庫
室が寂然してゐるので、時計の時を刻む音が自分の脈膊と巧く拍子を取つてハツキリ胸に通ふ。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
と同時に、いわゆるイエンドラシック反射が起って、その部分に加えられた衝撃が、上膊筋に伝導して反射運動を起すのですから、当然博士は、無意識裡に両腕を水平に上げる。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それは、上膊を高く挙げると肩の鎖骨と脊柱との間に一団の筋肉が盛り上ってきて、その頂点に上膊神経の一点が現われるのです。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ですからもし、その一点に強い打撃を加えると、その側の上膊部以下に激烈な反射運動が起って、その瞬後には痲痺してしまうのですよ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
そこで、四つの創形を云うと、そのうちの二つは左右上膊部の外側、即ち肩口から二寸ほど下方にあって、残り二つは、左右腰骨の突起部、即ち大臀筋の三角部だった。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫