耆宿
きしゅく
名詞
標準
文例 · 用例
与五郎老人は、野雪と号して、鷺流名誉の耆宿なのである。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
局長はこれに従って、特に耆宿として枳園を優遇し、土蔵の内に畳を敷いて事務を執らせた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
その時己の記憶の表面へ、力強く他の写象を排して浮き出して来たのは、ベルジック文壇の耆宿Lemonnierの書いたAudeが事であった。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
その時己の記憶の表面へ、力強く他の写象を排して浮き出して来たのは、ベルジック文壇の耆宿 Lemonnier の書いた Aude が事であった。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
短い紙面に複雑な内容を盛って、すらすらとさばいてゆく手際に至っては、探偵小説界に、小酒井、江戸川両|耆宿をはじめ新人少なからずといえども、氏の右に出ずるものはまずなかろうと思う。
— 平林初之輔 『甲賀三郎『琥珀のパイプ』序』 青空文庫
美妙は実に純文学を代表して耆宿依田百川と共に最始の少数集団に加っていたので、白面の書生が白髯の翁と並び推された当時の美妙の人気を知るべきである。
— 内田魯庵 『美妙斎美妙』 青空文庫
二十か二十一で一躍して数年以上の操觚の閲歴を持つ先輩を乗越して名声を博し、文章識見共に当代の雄を以て推される耆宿と同格に扱われた。
— 内田魯庵 『美妙斎美妙』 青空文庫
彼は是迄一冊の詩集と三冊の旅行記とを出版したがその文章と云い、観察と云い、玄人の塁を磨していたので、英国文壇の耆宿たるところのアーサー・シモンズは是に就いて次のような批評を下したことがあった。
— 国枝史郎 『喇嘛の行衛』 青空文庫