放還
ほうかん
名詞
標準
文例 · 用例
名もない一遊子ではあるけれど、私も幼い時から、富士の影を浴びて、武蔵相模で育った一児童として、永い間の外国生活から、故国へ放還された一旅人として、親友と、子供と、忠実なる案内者とに囲まれて、今富士の膝下へ来て亡き母の顔に見えまつるが如く、しみじみと見ているのだ。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
水沢は無事に放還された。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
好子は結局無関係とわかって放還された。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
但し翌々日に至り、守田有秋は單に一時間許りの訊問にて放還されたる旨訂正したり。
— 石川啄木 『日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象』 青空文庫
「令狐※の持論は正しい、志も回でない、条理も立っている、罪を加えることができない、放還して遺直を彰すがよい」 王はその後で言った。
— 田中貢太郎 『令狐生冥夢録』 青空文庫
頓て其通りの成行きに吃驚して判官大にメを尊敬し即座に其母を放還した。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
夜は更けてから、彼は一|先ず放還された。
— 松本泰 『P丘の殺人事件』 青空文庫
が、それは殆ど形式的な調べで、簡単な聴取書を徴されて、支倉は放還せられたのだった。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫