来詩
らいし
名詞
標準
文例 · 用例
月とその月光とが、古来詩人の心を強く捉へ、他の何物にもまして好個の詩材とされたのは、その夜天の空に輝やく灯火が、人間の向火性を刺戟し、本能的なリリシズムを詩情させたことは疑ひない。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
故に形式からも内容からも、従来詩に就いて答解されたすべてのものは、一として合理的な普遍性を有していない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
扨私は、明治以来詩人がゐなかつたといふのでは断じてない。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
その如く元来詩的本能を持つ日本人は相頷く詩形に決して長いものを要しないのだ――と。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
自分は元来詩人として名を成す積りでいた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
第三の下に「近来詩風盛宗宋人、先生実為嚆矢」と註し、第四の下に「先生壮年在昌平学、為都講、因撰昌平志廿巻献之、幕府大有恩賜云」と註し、第五の下に「一日信恬従先生避暑於墨水東江寺」と註し、第六の下に「又首夏陪先生及菅茶山、墨水泛舟」と註してある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
古往今来詩家の恋愛に失する者、挙げて数ふ可からず、遂に女性をして嫁して詩家の妻となるを戒しむるに至らしめたり、詩家|豈無情の動物ならむ、否、其濃情なる事、常人に幾倍する事|著るし、然るに綢繆終りを全うする者|尠きは何故ぞ。
— 北村透谷 『厭世詩家と女性』 青空文庫
「古来詩を作るの多き放翁に過ぎたるはなし。
— その七 ――放翁詩話三十章―― 『放翁鑑賞』 青空文庫