雄健
ゆうけん
名詞
標準
文例 · 用例
日本の文学で、比較的漢詩の本質的風格を学んだ者は、上古に万葉集の雄健な歌があり、近世に蕪村の俳句があるのみである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
芭蕉の書体が雄健で闊達であるに反して、蕪村の文字は飄逸で寒そうにかじかんでいる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
氣力の旺盛といふ事は、即ち血行の雄健といふことで、血行の萎靡は、即ち氣力の消衰といふことである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
気力が旺盛という事は即ち血行が雄健ということで、血行の萎靡は即ち気力の消衰ということである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
源中将のは水を豊かに描いて、そそけた蘆のはえた景色に浪速の浦が思われるのへ、そちらへあちらへ美しい歌の字が配られているような、澄んだ調子のものがあるかと思うと、また全然変わった奇岩の立った風景に相応した雄健な仮名の書かれてある片もあるというような蘆手であった。
— 梅が枝 『源氏物語』 青空文庫
しかし航海の描写としては例の通り雄健蒼勁の極を尽したものである。
— 夏目漱石 『コンラッドの描きたる自然について』 青空文庫
その声はなほ名残を惜んでそこらに逡巡する夜を蹴散らして、やがて明け往くその日をしつかりと把握するに足りるほどほがらかで、雄健なものだつた。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
彼女は実に一箇|巾幗の身を以て、深窓宮裡花陰の夢に耽るべき人|乍ら、雄健の筆に堂々の議論を上下し、仏蘭西全国の民を叱咤する事、猶猛虎の野に嘯くが如くなりき。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫