本格小説
ほんかくしょうせつ
名詞
標準
serious novel
文例 · 用例
序でだから言つておくが、あんな無意味で退屈な文學を、心境小説とか本格小説とか命名してありがたがつてゐる文壇は、世界的にも特殊であり、馬鹿馬鹿しさの程が知れないと言ふものだ。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の追憶』 青空文庫
心境小説が好いとか、本格小説でなくてはいけないとか言つて議論するがものはない。
— 田山録弥 『早春』 青空文庫
従つて本格小説が多くは通俗小説に堕して了ふのも止むを得ないことであると言はなければならない。
— 田山録弥 『通俗小説』 青空文庫
本格小説を書くならもつと本当にまじめになつて書け。
— 田山録弥 『雑事』 青空文庫
これは本格探偵小説を書くものの常に出逢う難点であって、本格小説に手をつける人の少ないのはこれがためであるとも言える。
— 小酒井不木 『「マリー・ロオジェ事件」の研究』 青空文庫
私小説はそれを克服して後始めて本格小説となるという河上徹太郎、小林秀雄両氏などの説も今の作家にとっては何よりの警告であったと思うが、そのようになるための方法としてでも私は制作をするということが本業ではなく副業であると見る見方をとらねばならぬと思っている。
— 横光利一 『作家の生活』 青空文庫
すでに「一寸法師」に於て本格小説の手腕を鮮かに見せた氏は、きっと、次から次へと、大作を発表して、私を喜ばせてくれることを信じてやまない。
— 小酒井不木 『江戸川氏と私』 青空文庫
併し、僕は今後、ますます自分の博学ぶりを、或は才人ぶりを充分に発揮して、本格小説、私小説、歴史小説、花柳小説、俳句、詩、和歌|等、等と、その外知つてるものを教へてくれれば、なんでもかきたいと思つてゐる。
— 芥川龍之介 『風変りな作品に就いて』 青空文庫
作例 · 標準
この作家の新作は、エンターテイメント性を排し、純粋な人間ドラマを描いた本格小説として評価が高い。
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