禅的
ぜんてき
名詞
標準
文例 · 用例
――日本のはそうでなく、根本的に詩そのもの、ヒューマニチイそのものを紛失させて、俗物的に納ったり、野狐禅的に悟り顔をすることで、自ら得意としているのだからたまらない、畢竟彼等は、自然主義の精神を履きちがえているのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それが自分等には歯痒ゆきところはあれど自然と人生の交渉に禅的ユニテイの味識を説き、ゴツホ、ゴウガンさてはキユビズムの名をみとめて而も文晁、宗達の存在をわすれざるところ、創作は生活であるといふに於ても氏は自分等の遥かに及ばぬ直接をもつてゐる。
— 山村暮鳥 『小川芋銭』 青空文庫
簡素、禅的生活、俳句生活は此の二字に尽きる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
それは無の立場から物を考えるから禅的だというようなものだ。
— 戸坂潤 『思想と風俗』 青空文庫
それから又、西田哲学を禅的な・スティグマ的な・少女ホルモン文学的な・「体験」の哲学だと考えている男や女は至るところに満ち充ちているが、そういう所から西田哲学で思想善導をやろうと考えている人も決して少なくない。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
一概に評し去るのは如何わしいけれど、もし狩野派の絵画をもって、禅的気分に富んだものとなし得べくんば、足利時代の土佐派をもって浄土気分のあるものといい得るかも知れぬ。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
彼は独断と誇張と飛躍とをはばからず、独りよがりや野狐禅的口吻と受けとられがちなものをも挙揚する。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
蓋し、林泉や茶室というものは、禅坊主の悟りと同じことで、禅的な仮説の上に建設された空中楼閣なのである。
— 坂口安吾 『日本文化私観』 青空文庫