饋電
きでん
名詞
標準
文例 · 用例
とすれば、彼の青猫は怖しい現代の吸血猫、かの山海のあひだに變幻出沒するところのバンピール――怖るべき電氣猫。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
かくのごとき電子の性質が次第に闡明され、これが原子を構成する模様が明らかになる時が来ても、電子その物は何物ぞという疑問は残るのである。
— 寺田寅彦 『物質とエネルギー』 青空文庫
それで原子のみでは分らぬ現象が知られるに至って何故という問題が起り、その結果「如何にして」の答案が上述のごとき電子の出現となったのである。
— 寺田寅彦 『物質とエネルギー』 青空文庫
内部の仕掛けは簡単なものでただ屋根の上に備えた風見鴉から針金を引き電池一個を接続すればよい。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
再び凄じき電に、鐘楼に来り、すっくと立ち、鉄杖を丁と振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
同時に、雨がまた迫るように、窓の黒さが風に動いて、装り上ったように見透かさるる市街に、暮早き電燈の影があかく立って、銅の鍋は一つ一つ、稲妻に似てぴかぴかと光った。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
瞬間に人間の運命を照らす、仙人の黒き符のごとき電信の文字を司ろうと思うのです。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
ただいま友人、大隅忠太郎君から、結納ならびに華燭の典の次第に就き電報を以て至急の依頼を受けましたが、ただちに貴門を訪れ御相談申上げたく、ついては御都合よろしき日時、ならびに貴門に至る道筋の略図などをお示し下さらば幸甚に存じます、と私も異様に緊張して書き送ってやったのである。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫