憤怨
ふんえん
名詞
標準
文例 · 用例
此書の末の方には憤怨|恨※と自暴の気味とがあるが、然し天位を何様しようの何のといふそんな気味は少しも無い。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
嫉妬の念、感恩の情、憤怨、恨怒、憎疾、喜悦、誠忠、其他諸種の情の感激は、時にやゝもすれば人をして張る氣を生ぜしむる。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
嫉妬の念・感恩の情・憤怨・恨怒・憎疾・喜悦・誠忠その他諸種の情の感激は、ともすれば人に張る気を生じさせる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
司馬遷は極度の憤怨のうちにあってもこのことを忘れてはいない。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
若魁たる者も同志之者も御差別なく厳刑に相成候へ者、天下正義之者|忽朝廷を憤怨し、人心瓦解し、収拾すべからざる御場合と奉存候。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
胸に燃ゆる憤怨の情を抱きながら、藁しべにでもすがりつきたい頼りない弱い心で、私たちはそれから、二人の在所を探して歩いた。
— 金子ふみ子 『父』 青空文庫
胸に燃ゆる憤怨の情を抱きながら、藁すべにでも縋りつきたい頼りない弱い心で、私達はそれから、二人の在所を探して歩いた。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫
親王は憤怨あらせられ、父君に上書して、臣夙に武臣の專恣を憤つて、坊主であつたものが戎衣を被て、世のそしりを受け、而して、たゞ、君父のためにこの身を忘れた、朝廷の人は誰ひとり役に立つものはない、臣ひとり空拳を張つて強敵に抗したわけである。
— 嘉村礒多 『滑川畔にて』 青空文庫