耽美主義
たんびしゅぎ
名詞
標準
aestheticism
文例 · 用例
自分は耽美主義の作品、或は心理小説、単なるリアリズムの作品にある種の物足らなさを感ずるのは、その作品に道徳性の欠乏しているためではないかと思う。
— 菊池寛 『志賀直哉氏の作品』 青空文庫
唯、文学論としてよりは小生一個の希望――文学に対する註文を有体に云うと、今日の享楽主義又は耽美主義の底には、沈痛なる人生の叫びを蔵しているのを認めないではないが、何処かに浮気な態度があって昔の硯友社や根岸党と同一気脈を伝うるのを慊らず思ってる。
— 内田魯庵 『二十五年間の文人の社会的地位の進歩』 青空文庫
手の平に小雨かかると云ふことに白玉の歯を見せて笑ひぬ 表情沢山な歯並みの美しい巴里女は、一面耽美主義者でもある作者の大に気に入つたらしくこの歌などその一つのあらはれであらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
自分と成瀬とはその人の前を通りながら、この有名な耽美主義の作家の顔を、偸むやうにそつと見た。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
当時谷崎氏は、在来氏が開拓して来た、妖気靉靆たる耽美主義の畠に、「お艶殺し」の如き、「神童」の如き、或は又「お才と巳之助」の如き、文字通り底気味の悪いFleurs du Mal を育ててゐた。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
彼等の病的な耽美主義は、その背景に恐る可き冷酷な心を控へてゐる。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
だから彼等の耽美主義は、この心に劫かされた彼等の魂のどん底から、やむを得ずとび立つた蛾の一群だつた。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
我々が彼等の耽美主義から、厳粛な感激を浴びせられるのは、実にこの「地獄のドン・ジユアン」のやうな冷酷な心の苦しみを見せつけられるからである。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
作例 · 標準
19世紀末には、芸術至上主義、すなわち耽美主義が欧米で隆盛した。
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耽美主義の芸術家たちは、現実逃避的な美の世界を追求した。
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「この小説は、耽美主義の影響が色濃く出ていますね。」
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