予言者
よげんしゃ
名詞
標準
文例 · 用例
言はば室生は文明人の繊細な皮膚と野蛮人の強健な心臓とをもつて生れた、近代世紀の幸福なる予言者である。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
天才者常に空威張りし、予言者嘆息するはまことに許容すべきのみ。
— 中原中也 『地上組織』 青空文庫
あたしお天気でも大抵間違へずに当てちやふんだもの、みんな予言者つて言ふわ。
— 中原中也 『夢』 青空文庫
「ああエルサレム、エルサレム、予言者たちを殺し、遣されたる人々を石にて撃つ者よ、牝鶏のその雛を翼の下に集むるごとく、我なんじの子どもを集めんと為しこと幾度ぞや」という所まで読んで、思わず声を挙げて泣いたあの夜を、忘れたか。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
キリストの誕生に先だち、キリストの出現を言い当てた予言者。
— ――馬をさへ眺むる雪の朝かな―― 『碧眼托鉢』 青空文庫
この前提が実用上無謀ならざる事は数回同じ実験を繰返す時は自ずから明らかなるべきも、とにかくここに予言者と被予言者との期待に一種の齟齬あるを認め得べし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
この予報は各箇の市民にとりては幾分漠然たる予言者の声を聞くがごとき思いあるべし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
―― 車の通ずる処までは、もう自動車が来て待っていて、やがて、相会すると、ある時間までは附添って差支えない女弟子の口から、真先に予言者の不思議が漏れた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫