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小謡

こうたい
名詞
1
標準
文例 · 用例
四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代なれや、と勿体ない、祝言の小謡を、聞噛りに謳う下から、勝負!
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
人形使 口上|擬に、はい小謡の真似でもやりますか。
泉鏡花 山吹 青空文庫
小謡篁に遊ぶ童は素肌にて、さびしかるらむ、一人にて、前ゆすり、後ゆすり、竹の葉洩れの暑き陽をちりやちりちり、ちりやちりちり、見て楽しめり。
北原白秋 第二海豹と雲 青空文庫
演劇に関する知識は、主として名古屋へ移つてから得たのであるが、謡曲は父や兄が口ずさむので、多少耳に染みてゐた上に、八九歳の頃、教課の一部として、強迫的に課せられて、ほんの小謡ひの幾番と「猩々」、「橋弁慶」位ゐを習つた。
――明治四十五年六月『少年世界』の為に―― 十歳以前に読んだ本 青空文庫
ただ小謡よりも節が勝手で気楽じゃまで……」「恐れ入りまする。
夢野久作 名娼満月 青空文庫
去る金持後家に見込まれて昼日中、引手茶屋に引上げられ、小謡いがまだ二三番と済まぬうちに脂切った腕を首にさし廻わされた時なぞ、血相をかえて塩鰯をひねくりまわし、後退りして逃げて来るという、世にも身固い、涙ぐましい月日が、いつの間にか夢のように流れて、早や笑うてくれる鬼もない来年の正月。
夢野久作 名娼満月 青空文庫
新しい小謡を習った青少年達が帰りがけに翁の表門を出ると、直ぐに大きな声で嬉しそうに連吟して行くのを聞き付けた翁は、その次の稽古日に必ず訓戒した。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫
しかし、それでも謡いたいので、門を出ると翁に聞こえぬ位の小声で謡って、だんだん遠くなると大声で怒鳴りながら家へ帰ると、いよいよ大得意になって習い立ての小謡を謡った。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫