席貸し
せきがし
名詞
標準
文例 · 用例
こはこれ、公園地内に六勝亭と呼べる席貸しにて、主翁は富裕の隠居なれば、けっこう数寄を尽くして、営業のかたわらその老いを楽しむところなり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
ところがね、ちょうどその晩兼六園の席貸しな、六勝亭、あれの主翁は桐田という金満家の隠居だ。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
席貸をと思いましたが、やっぱり夜一夜じゃ引退るんです。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
鈴木は初め船宿であったが、主人が死んでから、未亡人きよが席貸をすることになった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
東京は十二時になると、不見転以外は帰ってしまうが、大阪は、時として夜が更けると、雑魚寝があるし、席貸へ行って夜明かしもするし、――つまり、飽きる所まで、行きつくすことができる(尤も、そうなると十円では済まん)。
— 直木三十五 『大阪を歩く』 青空文庫
にわかの小烏屋が相継いで出来、遊人は忽ち役者の様に小鳥ブローカーとなり澄し、連日の小鳥の市で席貸するお寺には、厄病時の様に金が落ちた。
— 山本勝治 『十姉妹』 青空文庫
うたうたははるのんでも無し、をなごはんしやはるのんでもなし……」 彼と田原が時々行く席貸のおかみさんが、づけづけと訊いた程、みんな不思議がつて居た。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫