男湯
おとこゆ
名詞
標準
men's bath
文例 · 用例
日が暮れてから近所の湯へ行くと、その帰りにわたくしが男湯から出ると、師匠もちょうど女湯から出る、そこでばったり又|出遇ったんです。
— お化け師匠 『半七捕物帳』 青空文庫
たとひ紋着で袴を穿いても、これが反對で、女湯の揚場に、待つ方が旦と成ると、時節柄、早速其の筋から御沙汰があるが、男湯へ女の出入は、三馬以來大目に見てある。
— 泉鏡太郎 『錢湯』 青空文庫
石榴口には花鳥風月もしくは武者絵などが画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に『水滸伝』の花和尚と九紋龍、女湯の石榴口には例の西郷・桐野・篠原の画像が掲げられてあった。
— 岡本綺堂 『思い出草』 青空文庫
男湯と女湯との間は硝子戸で見透すことが能た。
— 岡本綺堂 『思い出草』 青空文庫
どうも……これから心掛けます」「つまり湯に這入るふりをして棄てたんじゃナ」「ヘエ……じゃけんど、ヒョットしたら落いて行ったもんじゃ御座いませんでしょか」「馬鹿な……吾が児を落す奴があるか」 その時に男湯の入口がガラリと開いて、百姓姿の男が一人駈け込んで来た。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
そうして何か戸惑いでもしたように、誰も居ない男湯の板の間を見まわしながらキョロキョロしていたが、そのうちにヤット気付いたらしく、女湯の入口にまわると、泥足のまま巡査を突き退けて、ハヤテのように板の間に駈け上った。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
そんな逞ましい飲み振りを見ていると、君枝はふと次郎がかつて日の丸湯の男湯で、ひとりあばれまわって、番台からよく叱られていたことなどを想いだしたので、そのことを言うと、「そうそう、僕は日の丸湯の中で、〆さんが五十読む間、潜ってたことがあるよ。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
古着屋の田中の新ちゃんはすでに若い嫁をもらっており、金助の抱いて行った子供を迎えにお君が男湯の脱衣場へ姿を見せると、その嫁も最近生れた赤ん坊を迎えに来ていて、仲よしになった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫