貸席
かしせき
名詞
標準
文例 · 用例
……思え、講釈だと、水戸黄門が竜神の白頭、床几にかかり、奸賊紋太夫を抜打に切って棄てる場所に……伏屋の建具の見えたのは、どうやら寂びた貸席か、出来合の倶楽部などを仮に使った興行らしい。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
大会は山の手の貸席か又は料理茶屋を会場として、会員一同が半季のあいだに蒐集した新奇の絵馬を持ち寄るのである。
— 正雪の絵馬 『半七捕物帳』 青空文庫
欧洲大戦時代の好況に脇百瀬の主人の新五郎は、この界隈に娯楽場が一つもないのに目をつけ貸席兼、色もの寄席を思い立ちました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
表向き料理店だが、その実連れ込み専門の貸席旅館だから、女を連れずに来る男もいなかったわけだ。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
境内を出ると、貸席が軒を並べている芝居裏の横丁だった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
女学校出の美しいヤトナというので、千枝子はたちまち木屋町で評判になったが、一週間ほどたったある夜、貸席のおかみが、「千枝子はん、今晩お泊りやすか」「えっ?
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
」 千枝子がきき返すと、貸席のおかみは、「二階のお客さん、あんたが気に入ったさかい、世話してくれ、お言いやすのどっせ。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
一つには、貸席のおかみへの義理もある。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫