固い
かたい
形容詞
標準
文例 · 用例
シヨペンハウエル ああ固い氷を破つて ああ固い氷を破つて突進する、一つの寂しい帆船よ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
孤獨な環境の海に漂泊する船の羅針が、一つの鋭どい意志の尖角が、ああ如何に固い冬の氷を突き破つて驀進することよ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
シヨペンハウエルああ固い氷を破つて ああ固い氷を破つて突進する、一つの寂しい帆船よ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
「我れの欲する所は必ず他人の欲する所」といふのが彼の獨斷的の固い信念であるからして、他人が自分と同意しない意見や趣味をもつであらうといふことは、天地が逆さになるほどあり得べからざることなのだ。
— 萩原朔太郎 『田端に居た頃』 青空文庫
「どうだろう、ボーイ長が固い物は食べられないだろうと思うんだが、何か寝てて食べるようなものはないだろうか、とも(高級海員の事)のコーヒーへ入れるミルクを一|罐だけ分けてもらえないだろうかなあ」波田は食餌のことは、チーフメートが医者ついでにやるべきものだと考えた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そして、ついに、警察によって刺激された若人どもは、立派な『無産階級軍の前衛隊』となり、なお加えらるる試煉によって、牢獄も、絞首台も、恐るるに足らずという、固い信念の中に、生きるようになったんだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
歯の悪い私が、梅干のあの固い種を噛みくだいたのである。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
「けさ、とても固いするめを食つたものだから、」わざと押し潰してゐるやうな低いかすれた聲であつた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫