押し分ける
おしわける
動詞-一段動詞-他動詞
標準
to push aside
文例 · 用例
彼女は人の肩を押し分けるようにしながら、尾張町の停留所の方へ歩いた。
— 佐左木俊郎 『指』 青空文庫
おまけにこの楽屋はちっとも風がはいらないんだからね」 お辰は病める太夫の枕もとをそっと離れて、楽屋のうしろに垂れている荒筵を少し押し分けると、夕日の光りはもう山の手の高台に隠れて、下町の空は薄い浅黄色に暮れかかっていた。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
鉄扇をうけた位で、生血が垂れているとは少し奇怪じゃな」 勃然として大きな不審が湧き上がりましたので、うろたえ騒いでいる人々を押し分けると、構わずにずいと死骸の傍らへ近よりました。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
源宰相中将も来ていて、平生と違って気軽に女房などとも話しているのを、ほかの女房たちが、「やはり出抜けていらっしゃる方」 とも評していた時に、近江の君は女房たちの座の中を押し分けるようにして御簾の所へ出ようとしていた。
— 真木柱 『源氏物語』 青空文庫
彼は急いで、よくこれまでそれを見て嘲笑ったりした、顔じゅうを繃帯して、二つの穴から眼玉だけ出している乞食の老婆の立ちならんでいる間を押し分けるようにして、伽藍へ駆けつけるなり、堂内へ飛びこんだ。
— ニコライ・ゴーゴリ 『鼻』 青空文庫
風に捲き落された煙が下甲板一パイに漲っていたが、その中で二等運転手が、突然に鋭い呼子笛を吹くと、待ち構えていたらしい人影がそこここから、煙を押し分けるようにして出て来た。
— 夢野久作 『幽霊と推進機』 青空文庫
彼の身体はその群衆の中を、水をでも押し分けるように容易く、通りぬけてゆきました。
— ――近代説話―― 『水甕』 青空文庫
木の枝を押し分けると、赤い窓帷を掛けた窓硝子が見える。
— ハンス・ランド Hans Land 『冬の王』 青空文庫
作例 · 標準
例句