鬼道
きどう
名詞
標準
文例 · 用例
もう炎天と飢渇の為に人にも鳥にも、親兄弟の見さかひなく、この世からなる餓鬼道ぢゃ。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
もう炎天と飢渇の為に人にも鳥にも、親兄弟の見さかいなく、この世からなる餓鬼道じゃ。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
』胸わるき油煙のにほひ女子らが汗に蒸されて、焦熱のこころあかあか火の車、または釜うで、餓鬼道の叫喚さながら人人が苦悩を醸す。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
まる三週間近く、水の他何にも摂れないので、まるで生きながら餓鬼道に堕ちたようなものであった。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
『宗教は偉人の形骸である』とカライルは云つたが、この樣なあはれな状態に墮落したら、他の宗派と同樣、徒らに信者の數をむさぼる餓鬼道である。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
「公(忠直)は湯漬飯を命じ近侍|真子平馬に膳を持たせ、立ながら数椀喫せられ、食終て公舒々と諸軍に向い、最早皆々満腹すれば討死しても餓鬼道へは堕ちず、死出の山を越して直ちに閻魔の庁に入るべし」と。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
修羅や畜生、餓鬼道越えて。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
煙草を吸う人は皆経験しているであろうがこんな時には燐寸一本のために、大の男が餓鬼道に墜ちるものである。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫