度外
どがい
名詞
標準
文例 · 用例
丁度外出に出た高村氏と、うまく坂の途中で逢ふ。
— 萩原朔太郎 『歳末に近き或る冬の日の日記』 青空文庫
私は自分の落度を度外視して忠実な車掌を責めるような気もなければ、電気局に不平を持ち込もうというような考えももとよりない。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
しかしその半面の随伴現象としていわゆる骨董趣味を邪道視し極端に排斥し、ついには巧利を度外視した純知識慾に基づく科学的研究を軽んずるような事があってはならぬと思う。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫
故に各種原因の重要の度を比較して、影響の些少なるものを度外視し、いわゆる「近似」を求むるを常とす。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
各測候所の平均領域の幅員に比して微細なる変化は度外視し、定時観測期間の長さに比して急激なる変化をも省略して近似的等温線あるいは等圧線を引くに過ぎず。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
この場合の標準になるものは勿論単に心理学的なものの外に非科学的なものがむしろ大部分を占めているのは通例ではあるが、そうかと云って作者は、この種の作物の構成方法が上の通りである限りは、全く科学的要素を度外視する訳には行くまいと思う。
— 寺田寅彦 『文学の中の科学的要素』 青空文庫
」第十三「其処から下りるのだと思はれる、松の木の細くツて度外れに背の高いひよろ/\した凡そ五六|間上までは小枝一ツもないのがある。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
けれども、僕は前からツネちゃんをきらいじゃなかったし、それにどうもあの色男との噂が気になっていたのも事実だったから、全くツネちゃんの射的場を度外視して、門のところに立っていたと言ってもやっぱり嘘になるかも知れないね。
— 太宰治 『雀』 青空文庫