塗り籠め
ぬりごめ
名詞
標準
interior closed room with heavily plastered walls in a Heian palace
文例 · 用例
この五百年の間に皮相な慾望で塗り籠められた人間の久遠の本能慾が、どうして鬱積せずにいるものぞ。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
母は丹精籠めて息子の骨の身体に香油を塗り籠めます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
壁には近き故墟より掘り出したる石柱頭と石臂石脚とを塗り籠めて飾とせり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
壁に塗り籠めた大きい、丈の高い炉には時計とキヤベツとが彫つてある。
— THE DEVIL IN THE BELFRY 『十三時』 青空文庫
その周囲を、死人色の青黒い、紫がかったお化粧でホノボノと隈取って、ダイヤのエース型の唇を純粋の日本紅で玉虫色に塗り籠めている……」「ハハハ。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫
」 と、呼べど、叫けべど、返事もなく、もとより塗り籠めの中、火事場の騒ぎさえ、ひびいても来ず、しんかんと、ひそまり返っているままに、わめきつれて、いつか、睡魔が、うとうとと襲って来て、そのうちに、我れ知らず、眠ってしまえば、狂も、不狂も、おなじ夢の境。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
癡夢陰濕の「嘆」の窓をしも、かくうち塞ぎ眞白にひたと塗り籠め、そが上に垂れぬる氈の紋織、――朱碧まじらひ匂ふ眩ゆさ。
— 蒲原有明 『有明集』 青空文庫
発電所の停電だろう、それとも、引込線のヒューズでも飛んだのかなと思いながら、じきに点くと思いましたし、私は塗り籠められたほど真暗な中で、そのまま電話をかけにかかって、しかしそれが幾度も幾度も話中だったり混線していたりで、かなり長い時間かかりました。
— 大下宇陀児 『偽悪病患者』 青空文庫
作例 · 標準
平安時代の貴族の邸宅には、防犯やプライバシーのために塗り籠めが設けられていた。
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その屋敷の塗り籠めは、非常に厚い壁で囲まれており、外からの音を完全に遮断していた。
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物語の登場人物は、塗り籠めに閉じこもって、ひたすら書物を読んでいた。
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