徳義心
とくぎしん
名詞
標準
moral sense
文例 · 用例
是から人に逢ふ度に君は神經衰弱かときいて然りと答へたら普通の徳義心ある人間と定める事に致さうと思つてゐる 今の世に神經衰弱に罹らぬ奴は金持ちの魯鈍ものか、無教育の無良心の徒か左らずば、二十世紀の輕薄に滿足するひやうろく玉に候。
— 夏目漱石 『鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年』 青空文庫
アア堂々たる男子にして黄金のためにその心身を売り恬として顧みざるの時に当り、女史の高徳義心一身を犠牲として兄に秘密を守らしめ、自らは道を変えつつもなお人のため国のために尽さんとは、何たる清き心地ぞや。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
しかしてその不斉一その粗悪なるは、その製出者と営業者とに徳義心を欠くが故なりというも可なり、鑑みざるべけんや。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
これは、十分この作者としてとりあげられる種類の人間的徳義心の問題である。
— 宮本百合子 『山本有三氏の境地』 青空文庫
不安、動揺、混乱は、まだ失われぬ都会人の初初しい徳義心の顕れだ。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
傍観の苦しさには、働いているものには分ろう筈がない徳義心がここに必要で、私の愉しみはここから何か少しずつ芽の出てくるのを感じ、それの伸びるのを育て眺める愉しみだ。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
この一句のために、モーパッサン氏は徳義心に富める天下の読者をして、適当なる目的物に同情を表する事ができないようにしてしまいました。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
文芸の目的が徳義心を鼓吹するのを根本義にしていない事は論理上しかるべき見解ではあるが、徳義的の批判を許すべき事件が経となり緯となりて作物中に織り込まれるならば、またその事件が徳義的平面において吾人に善悪邪正の刺戟を与えるならば、どうして両者をもって没交渉とする事ができよう。
— 夏目漱石 『文芸と道徳』 青空文庫
作例 · 標準
徳義心に富んだ行動は、社会全体の規範となる。
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彼は徳義心があるため、不正な行為には決して手を染めない。
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子供たちには、徳義心を持って行動することの重要性を教えるべきだ。
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