渡り台詞
わたりぜりふ
名詞
標準
文例 · 用例
六年(癸酉) 一八七三○三月、村山座の一番目「酒井の太鼓」にて、権之助の酒井左衛門尉と菊五郎の鳴瀬東蔵との渡り台詞に「かく文明の世の中に、開化を知らぬは愚でござる」といい、観客はその時代違いを咎めずして、大いに喝采せり。
— 岡本綺堂 『明治演劇年表』 青空文庫
又渡り台詞で言ふことすら、此処は多く端折ることになつてゐる。
— 折口信夫 『手習鑑雑談』 青空文庫
つらねと云ふのは渡台詞或は厄払と云ふ様な物に共通するものがありますが、之は今の六法を踏みながら云ふ台詞でありまして、それはどう云ふ事を云ふかと云ふと主に名乗りに使ふ。
— 岸田國士 『日本演劇の特質』 青空文庫
更に複雑化して舞台で一人の俳優が文句を云ふと其の次の者が云つて、其次々々と段々に台詞を渡して行くのが渡台詞であります。
— 岸田國士 『日本演劇の特質』 青空文庫