輪違
わちがい
名詞
標準
文例 · 用例
藤原時代の輪違模様、桃山から元禄へかけて流行した丸尽し模様なども同様に曲線であるために「いき」の条件に適合しない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
すでに想念に浮ぶ厚手の花の形と薄手の花の形と、輪違いに紙の中での狂い咲き。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その中に輪違いの紋と、墨絵の馬を染出した縮緬の大夜具が高々と敷かれて、昔風の紫房の括枕を寝床の上に、金房の附いた朱塗の高枕を、枕元の片傍に置いてあった。
— 夢野久作 『笑う唖女』 青空文庫
八|葉の剣輪違いの定紋を置いた裃を着ている。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫
八葉剣輪違いの紋服の着流しに包まれた、小ぶとりの膝を、そのあくびといっしょに、ぽん、とたたいて、「そうか。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
)保存家が出て、右の角屋、或いは輪違その他の一部の如きに相当の方法を講じておかないと、やがて社会史の一角に、多少の参考材料を失うかも知れない。
— 壬生と島原の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
下谷の鷲津家に蔵せらるる系図について見るに、鷲津氏は丹羽県主を姓とし家の紋は六角内輪違とまた桔梗とを用いる。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
たとえば井筒ならば井筒を菱にもすれば丸の中にも入れ、輪違いにもすれば四つ合せもするというように、一つの紋をいかほどにも変えて行くのである。
— 柳田國男 『名字の話』 青空文庫