来玉
らいたま
名詞
標準
文例 · 用例
如何にせしぞと問ふに、売りまゐらすべきもの無ければ七八日過ぎて後来玉へと彼の家にて云はれたりと、云ふ声さへもやゝ沈めり。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
明日の天を気づかひて今朝より人は皆、今日こそ斯く曇れ明日は必ず雨無かるべしと云ひしが、此のありさまにては晴るゝべくもあらず、空頼めとはかゝる時より云ひ出したる言葉なるべしなどと心の内に喞つ折しも、雨を衝て父上来玉へり。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
婦は我らを一目見て直ちに鎌を捨て、蝋燭、鍵などを主人の尼より受け取り、いざ来玉えと先立ちて行く。
— 幸田露伴 『知々夫紀行』 青空文庫
辻番組合月番|西丸御小納戸鵜殿吉之丞の家来玉木勝三郎組合の辻番人が聞き取った。
— 森鴎外 『護持院原の敵討』 青空文庫
「善くぞ帰り来玉ひし。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
帰り来玉はずば我命は絶えなんを。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
ビュロオ伯は常の服とおぼしき黒の上衣のいと寛きに着更へて、伯爵夫人とともにここにをり、かねて相識れる中なれば、大隊長と心よげに握手し、われをも引合はさせて、胸の底より出づるやうなる声にてみづから名告り、メエルハイムには「よくぞ来玉ひし、」と軽く会釈しぬ。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫
以来玉が一つしかないという評判だったから、僕が訊いたら、チャンと二つ見せてくれた。
— 佐々木邦 『合縁奇縁』 青空文庫