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侠気

おとこぎ
名詞
1
標準
文例 · 用例
) 思切つて坂道に取つて懸つた、侠気があつたのではござらぬ、血気に逸つたでは固よりない、今申したやうではずつと最う悟つたやうぢやが、いやなか/\の憶病者、川の水を飲むのさへ気が怯けたほど生命が大事で、何故又と謂はつしやるか。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
この招魂堂改築に就いても、れいの侠気を発揮して大いに奔走したに違ひない。
太宰治 津軽 青空文庫
そは心たしかに侠気ある若者なりしがゆえのみならず、べつに深きゆえあり、げに君にも聞かしたきはそのころの源が声にぞありける。
国木田独歩 源おじ 青空文庫
二三度試みて、たうとう指さきを臆させてしまつた女中は「お嬢さま、まことに恐れ入りますが、とても私の手にはおへませんから、このまま蝙蝠を宅までお持ち願へませんか」 お涌は大人にこれほど叮嚀に頼まれる子供の侠気にそゝられて承知した。
岡本かの子 蝙蝠 青空文庫
さういふ時の皆三と、今、自分に蝙蝠を譲つて欲しいと女中にいはせに来た皆三とは、別人のやうにお涌には感じられたが、しかし、ともかくあの変つた男の子がゐて、そして町内の子どもが誰も見たことのない神秘の家へ自分ひとり入つて行くことは、お涌に取つて女中のために蝙蝠を運んで行つてやる侠気以上の張合ひであつた。
岡本かの子 蝙蝠 青空文庫
母がぱっぱという出任せのわが子に対しても見境いない憎悪の言葉を耳に咎めて、反射的にたしなめるそのことが一時の忠義立てや侠気の做す業にしても、も一つその底の慾には朝夕虐げられつけている母に向って一ときでも立優った気持になり姐御になり度いのでございましょう。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
ですから自分としては、どこまでも一人の単純な青年を老嬢の無理から切り離そう、その侠気のようなものだけで心が奮い立って来たような気が致しますのは、やっぱり女は甘くて得手勝手なものなのでございましょうか。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
二三度試みて、とうとう指さきを臆させてしまった女中は「お嬢さま、まことに恐れ入りますが、とても私の手にはおえませんから、このまま蝙蝠を宅までお持ち願えませんか」 お涌は大人にこれほど叮嚀に頼まれる子供の侠気にそそられて承知した。
岡本かの子 蝙蝠 青空文庫