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祈年

きねん
名詞
1
標準
文例 · 用例
戀の矢祈年祭のさむき夕、羽ある神の子狙ひ得しや、戀の矢|心臟に傷を穿ち、疼みにこらへで吾ぞ病める。
薄田泣菫 泣菫詩抄 青空文庫
だが、文献で考へられる範囲では、早稲は神の為で、神嘗用であり、おきつ・み・としの初穂は、祈年祭・月次祭りに与る社々・皇親の尊長者の霊にも御料の外を頒たれる事になつてゐた。
祭りの発生 その一 ほうとする話 青空文庫
正月の飾り物なる餅花・繭玉は、どうかすると春を待つ装飾と考へられてゐる様であるが、もと/\素朴な鄙の手ぶりが、都会に入つて本意を失うたもので、実は一年間の農村行事を予め祝うたにう木・削掛の類で、更に古くは祈年に神を招ぎ降す依代であつたものらしい。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫
ものづくりといふ名は、簡易な祈年祭りの依代なる事を示してゐるのである。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫
常陸国志に武蔵の繭玉が榎の枝で作られて、其年の月の数だけの枝ある木を用ゐるとあるを思ひ合せても、餅花・繭玉は農桑の豊作を祈るといふ習はしの通り、年占・祈年に神を迎へる為なる事は疑ひがない。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫
自体、祈年祭りを二月四日に限るものゝ様に考へるのは、国学者一流の事大党ばかりの事で、農村では田畑の行事を始める小正月に取越して置くのが多く、又必しも正月十五日に限らず、大晦日・節分などを境目としてするものらしい。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫
年占・祈年・左義長・鳥追ひ・道祖神祭・厄落しは、何の日に行うてもよいわけである。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫
此は師走晦日に亡者を呼びよせた髯籠と、祈年の依代との融合したものゝ様に見えるが、茲にも多くの枝を要素としてゐる事が知れる。
折口信夫 髯籠の話 青空文庫