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干瓢

かんぴょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
利根の鉄橋を越えて行くに夏|蕎麦をつくる畑|干瓢をつくる畑などあれば埼玉や古河のあたりの夏蕎麥のなつみこめやもおほに思はゞ麥わらをしける廣畑瓜の畑葉かげに瓜のこゝたく見ゆるなど口ずさむ。
伊藤左千夫 滝見の旅 青空文庫
早く干瓢にでもなりますれば、……とそればかりを待っております。
泉鏡花 夜叉ヶ池 青空文庫
痩せに痩せた干瓢、ひょろりとある、脊丈のまた高いのが、かの墨染の法衣の裳を長く、しょびしょびとうしろに曳いて、前かがみの、すぼけた肩、長頭巾を重げに、まるで影法師のように、ふわりふわりと見えます。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
(やあ、人参と干瓢ばかりだ、)と踈匆ツかしく絶叫した、私の顔を見て旅僧は耐へ兼ねたものと見える、吃々と笑ひ出した、固より二人ばかりなり、知己にはそれから成つたのだが、聞けば之から越前へ行つて、派は違ふが永平寺に訪ねるものがある、但し敦賀に一泊とのこと。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
其代といひかけて、折を下に置いて、(御馳走は人参と干瓢ばかりぢや。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
)」第二十「さて、其から御飯の時ぢや、膳には山家の香の物、生姜の漬けたのと、わかめを茹でたの、塩漬の名も知らぬ蕈の味噌汁、いやなか/\人参と干瓢どころではござらぬ。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
水天髣髴の間に毛筋ほどの長堤を横たえ、その上に、家五六軒だけしか対岸に見せない利根川の佐原の宿、干瓢を干すその晒した色と、その晒した匂いとが、寂しい眠りを誘う宇都宮の田川の宿――その他川の名は忘れても川の性格ばかりは、意識に織り込まれているものが次々と思い泛べられて来た。
岡本かの子 河明り 青空文庫
人參も、干瓢も、もさ/\して咽喉へつかへて酸いところへ、上置の鰺の、ぷんと生臭くしがらむ工合は、何とも言へない。
泉鏡太郎 火の用心の事 青空文庫