慕蓉
慕蓉
名詞
標準
文例 · 用例
かかる間に、一方の劉高は、巧妙な偽証をならべたてた上申書を作り上げ、その密封を、腹心の家来へ持たせて、時の青州府の奉行、慕蓉彦達のもとへ、上申して出た。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
× × 今上、徽宗皇帝の後宮三千のうちに、慕蓉貴妃という皇帝の寵姫がいる。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
青州奉行は、その貴妃の兄にあたる人なので、姓にも二字の慕蓉、名も二字名で、彦達といい、妹の威光を逆に兄がかさに着て、いやもうえらい羽振りなのだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
どれ見せい」 慕蓉は側近の手からそれを取上げ、一度ならず読み返した後、はたと文書函の蓋をした。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
州軍の警備総長黄信、あだ名は鎮三山、さっそくにやって来て、慕蓉の台下に、拱叉の拝を執ってひざまずいた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
きさまは日頃、乃公出デテ三山ニ鬼声ヲ絶ツ――などと大言を吐いていたが、なんとしたこと、これを見ろ」 慕蓉は言って、劉高からの上訴の状を読んで聞かせた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
令状とはいえ、はなはだ私的な文面で、それには、 近来、当地清風鎮のあいだで、頻りに武官の貴下と、文官の劉高との仲に、軋轢が絶えないとの風聞があり、青州御奉行の慕蓉閣下におかれても、いたくお心を悩ませておられる。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
――黄信からみじかい挨拶があって、「ここに慕蓉閣下はおられぬが、これは慕蓉閣下のくだされたお杯といっていい。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫