耀石
耀石
名詞
標準
文例 · 用例
首の向きも直さず、濃く煙らして、炉炭の火を見詰めていた娘の瞳と睫毛とが、黒耀石のように結晶すると、そこからしとりしとり雫が垂れた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
テエブルの上には琥珀のように黄色いビイルと黒耀石のように黒いビイルのはいったコップが並んで立っている。
— 寺田寅彦 『異郷』 青空文庫
祖母も母も姉も伯母もみんな口をあいて笑うと赤いくちびるの奥に黒耀石を刻んだように漆黒な歯並みが現われた。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
彼女は黒い羽織で顔の輪廓がひとしお鮮かで、頬まで垂れた黒髪の下から、滑らかな黒耀石のような目が、長い睫毛の陰に大きく潤い輝いていた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
彼等は、眞珠や黒耀石を追ひ求めては、果てしない太平洋の眞蒼な潮の上を、眞紅な帆でも掛けて、恐らくは葦の莖の海圖を使用しながら、或ひは、今でも我々の仰ぐオリオン星やシリウス星を頼りに、東へ東へと渡つて行つたに違ひない。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
彼らは、真珠や黒耀石を追い求めては、果てしない太平洋の真蒼な潮の上を、真紅な帆でも掛けて、恐らくは葦の茎の海図を使用しながら、あるいは、今でも我々の仰ぐオリオン星やシリウス星を頼りに、東へ東へと渡って行ったに違いない。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
14火のなかにたはむれる 真昼の靴をはいた黒耀石の薔薇の花。
— 大手拓次 『藍色の蟇』 青空文庫
ほんとに、黒耀石の瞳とは、これのことをいうのではないかと思われた。
— 蘭郁二郎 『脳波操縦士』 青空文庫