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独的

どくてき
名詞
1
標準
文例 · 用例
ただ一つ異なるところは自然主義が社会性を重要視し、現実生活を正視しようとしたに反し、高蹈派は人間社会を白眼視して、真の孤独的な貴族主義に徹入し、独善生活の雲の中に入り込んでしまったことだ。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
無邪気に育てられ、表面だけだが世事に通じ、軽快でそして孤独的なものを持っている。
岡本かの子 青空文庫
病に罹らないことに努めるのは、第一に自分の健全に努め、次いで自分の近親者や他人に病が混ざらないように努めるべきであるが、自分一個の力では自分すら完全に保護することが出来ないのが、人間の真相であり実際であるから、病に罹らないことに努めるにも単独的にするよりも相互的にしなければその目的は達せられない。
幸田露伴 努力論(現代訳) 青空文庫
祖父以来儒者の家であった彼の家庭には、何か時代とそぐわぬ因習に囚われがちな気分もあると同時に、儒教が孤独的な道徳教の多いところから、保身的な独善主義に陥りやすく、そういうところから醸された雰囲気は、均平にはやりきれないものであった。
徳田秋声 縮図 青空文庫
たとひそれが伯父といふ近親の者の家であつたにせよ、まだ日も浅くて人にも土地にも馴染親しみが薄く、何かにつけて孤独的な、うら悲しい哀傷の思ひに堪へ兼ねてゐたのだつた。
加能作次郎 乳の匂ひ 青空文庫
例えば私たちのような文筆の職業に就いている者は単独的労働者であって、工場や会社の労働者のように集団的行動を為しがたい者です。
与謝野晶子 階級闘争の彼方へ 青空文庫
たとえば石川淳は私よりも孤独的で、友達もないが、根は私よりも心あたたかく、ヨコシマなところなく、誰にでも愛さるべき人である。
その八 安吾愛妻物語 安吾人生案内 青空文庫
いわゆる紀行文学のごとき、図書館では地誌の部に置かれながら、いかにも狭い主観の、断独的個人的の記述であることは、すでに心づいた者が多いのであるが、名ある古人を思慕することが、無名の山川を愛する情よりもまさっている国柄では、風景の遇不遇ということがことに大きな意味を持つ。
柳田国男 雪国の春 青空文庫