穫物
穫物
名詞
標準
文例 · 用例
畠の収穫物の売上げは安く、税金や、生活費はかさばって、差引き、切れこむばかりだった。
— 黒島傳治 『電報』 青空文庫
そして過剰の収穫物は村の組合でまとめて都会へ売り、組合で最新式の耕作具や穀物の刈り取り機械を購入して、その機械を得意な人々数人に保管させたり、各家庭の収入金の三分の一を貯金し、三分の一を金貨にして床下の甕に蓄え、残りの約三分の一で税金や組合費に当てます。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
四五日続いた曇天に、茅で葺かれた収穫蔵の屋根も、その前面から広くとって、ずっと奥庭との境の垣根まで続いて春や秋、の頃の収穫物を干し乾かす場所に宛ててある外庭の土も、皆一様に灰色に、いじけて下駄の歯で荒らされた地面の上などは、こぶこぶのまま、凍り固まって居るのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
そしてそこからの收穫物を、彼女は普通の小作人同樣に、伊貝の倉庫に運んだ。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
第四階級の人々は文化的にある程度までブルジョアジーに妥協し、その妥協の収穫物を武器としてブルジョアジーに当たっている時である。
— 有島武郎 『片信』 青空文庫
殆んど自給自足に近い生活をしている甚吉は、自分の収穫物を、市街地へ売りに行くと云うようなこともなかった。
— 佐左木俊郎 『都会地図の膨脹』 青空文庫
すると今までずッとわたしの奇妙な収穫物をみつめていた東屋氏は、「……こいつア面白くなってきた。
— 大阪圭吉 『灯台鬼』 青空文庫
同窓生互に夫れを手柄のようにして居るから、送別会などゝ云う大会のときには穫物も多い。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫