謡言
ようげん
名詞
標準
文例 · 用例
一寸緊張が緩むと、面白いもので、家康、信雄が北条方へ内通して居ると云う謡言が、陣中にたった。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
覿面に此の効果はあがって謡言は終熄したが、要するに今後の問題は、持久戦に漸く倦んだ士気を如何に作興するかにある。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
それから朝の食事をして九時二十五分発の撫順支線の汽車に乗るまでの間、私達は此の事変について色色の謡言蜚語の伝へられるのを聞いた。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
その時に最も幸福に救われたいものは、今のうち小金ヶ原の新しい神様を信心しておくがよろしいと、それはずいぶんばかばかしい謡言であります。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
そういうものの、謡言はなかなか盛んだ。
— 魯迅 『阿Q正伝』 青空文庫
それで一日も早く自分の居城|多聞山へ忰を呼び戻したく、たび/\そのことを筑摩家へ願い出たのであったが、兎角国中に穏かならぬ謡言が専らである折柄、殊に先年月形城の謀叛以来牡鹿山の老臣共は猜疑の念が深くなって、容易に願いを聴き届けようともしなかった。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫
――犯人宋江なる者は、世上の童の謡言に照らしてみても、ゆゆしき国罪の張本なれば、軽々しく地方において処刑するな。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
すると、西涼一帯に、いろいろな謡言が流布されて、州民は、恐慌を起した。
— 群星の巻 『三国志』 青空文庫