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掬い上げる

すくいあげる
動詞
1
標準
文例 · 用例
蘆の根方に住んでいる小|鰻がそれに取りつく、環をそっと引き上げて、未練に喰い下って来る小鰻を水面近くまでおびき寄せ、わきから手網で、さっと掬い上げる
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
水車の水を低所より高所に掬い上げる機能が因であります。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
親衛隊の二騎が馬から下りもせず、左右からさっと単于を掬い上げると、全隊がたちまちこれを中に囲んですばやく退いて行った。
中島敦 李陵 青空文庫
」「なにね、僕の説だってその実グラグラなんだから、試しに、眼で見えなかった人間を作り上げようとしたところさ」と法水は気紛れめいた調子で云ったが、その語尾を掬い上げるような語気とともに、熊城は一枚の紙片を突き出した。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
自宅附近で遊んでいる長男を認めると、さっと自転車を停めて、相手を掬い上げるところなど、それは静三が嘗て笠岡から伝授されたものであった。
原民喜 昔の店 青空文庫
右のお椀で水の中を掻き廻して掬い上げると、鮪も鯨も入ってはいない、ただ川の中の砂がいっぱい。
白根山の巻 大菩薩峠 青空文庫
此処には、日常生活の些事の中にも滲透して、戯れながらその味を吸ひ取りその美を掬い上げることの出来る芸術家のこゝろがある。
阿部次郎 帰来 青空文庫
時平が重くて美しい肩の荷物を持て扱いながら、喘ぎ/\車の際まで辿り着くと、雑色や舎人たちが手に/\かざす松明の火のゆらめく中で定国や菅根やその他の人々が力を添え、両側から掬い上げるようにして辛うじてその嵩張るものを車へ入れた。
谷崎潤一郎 少将滋幹の母 青空文庫
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