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狭霧

さぎり
名詞
1
標準
mist
文例 · 用例
山処のひと本すゝぎ朝雨の狭霧に将起ぞ 翁は身体を撫でながら愛に絶えないような声調で、微吟した。
岡本かの子 富士 青空文庫
女神の顔は氷花のように燦めき、自然のみが持つ救いのない非情と、奥底知れない泰らかさとが、女神の身体から狭霧のようにくゆり出す。
岡本かの子 富士 青空文庫
まだ、戸の閉っている二軒のあべ川|餅屋の前を通ると直ぐ川瀬の音に狭霧を立てて安倍川が流れている。
岡本かの子 東海道五十三次 青空文庫
「お柳、」と思わず抱占めた時は、浅黄の手絡と、雪なす頸が、鮮やかに、狭霧の中に描かれたが、見る見る、色があせて、薄くなって、ぼんやりして、一体に墨のようになって、やがて、幻は手にも留らず。
泉鏡花 木精(三尺角拾遺) 青空文庫
空は雨雲ひくく漂い、木の葉半ば落ち失せし林は狭霧をこめたり。
国木田独歩 わかれ 青空文庫
朝なお早ければ街はまだ往来少なく、朝餉の煙重く軒より軒へとたなびき、小川の末は狭霧立ちこめて紗絹のかなたより上り来る荷車の音はさびたる街に重々しき反響を起こせり。
国木田独歩 わかれ 青空文庫
いつか狭霧が晴れ、川音が陽の光をふるわせて、伝わって来た。
織田作之助 秋深き 青空文庫
多摩川の川づらには狭霧が立ち籠め生あたたかくたそがれて来た。
岡本かの子 雛妓 青空文庫
作例 · 標準
谷底から狭霧が立ち上り、幻想的な風景を作り出していた。
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朝焼けの中、狭霧に包まれた湖面は神秘的だった。
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狭霧が晴れると、遠くの山々が見えてきた。
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