様異
さまこと
名詞
標準
文例 · 用例
其五 西行かすかに眼を転じて、声する方の闇を覗へば、ぬば玉の黒きが中を朽木のやうなる光り有てる霧とも雲とも分かざるものの仄白く立ちまよへる上に、其|様異なる人の丈いと高く痩せ衰へて凄まじく骨立ちたるが、此方に向ひて蕭然と佇めり。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
木立の間、花の上、処々に現れた洋風の建築物は、何様異なる趣きを見せて、未だ見ぬ外国の港を偲ばしめる。
— 石川啄木 『漂泊』 青空文庫
後世日本同様異常の蛇を竜とせる記事多きも、それは古伝の竜らしき物実在せぬよりの牽強だ。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
実に上古において武備機関を設けざるべからざるの必要は、すでに他の一種、異様異彩なる貴族的の現象を生ぜざるべからざるの必要を産せしめたり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
木立の間、花の上、處々に現れた洋風の建築物は、何樣異なる趣きを見せて、未だ見ぬ外國の港を偲ばしめる。
— 石川啄木 『漂泊』 青空文庫
肉靈合一の一元的説相がいつしか空虚な夢に陷るのを引とめ、破壞すべき道徳をも認めぬところに、却て眞生命の流動を感知し、これを多樣異常なる技法によつて永遠の苑に移植する。
— 蒲原有明 『仙人掌と花火の鑑賞』 青空文庫