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官途

かんと異読 かんど
名詞
1
標準
government service
文例 · 用例
安宅先生の手引で、F――学園の園芸手に住み込まれるようになってからは、家族の二人は、まるで息子が立派な官途にでも就いたような歓びであった。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
この柵草紙の盛時が、即ち鴎外という名の、毀誉褒貶の旋風に翻弄せられて、予に実に副わざる偽の幸福を贈り、予に学界官途の不信任を与えた時である。
森鴎外 鴎外漁史とは誰ぞ 青空文庫
そんな連中は有為果敢の材を抱きながら官途に就く事が出来ず鬱勃たる壮志を抱いたまま明治政府を掌握している薩長土肥の横暴振り、名利の争奪振りを横目に睨んでいた。
夢野久作 近世快人伝 青空文庫
ある日曾は、自分が賤しかった時、村の紳縉王子良という者の世話になったことを思いだして、自分は今こんなに栄達しているが、渠はまだ官途につまずいていて昇進しないから、一つ引きたててやらなくてはならないと思って、翌朝|上疏して王を諫議大夫に推薦し、そこで天子の諭旨を奉じて、たちどころに引きあげて用いた。
田中貢太郎 続黄梁 青空文庫
七 妨害運動 これより先、郷里の両親らは福田が渡韓の事を聞きて彼を郷里に呼び返すことのいよいよ難きを憂い、その極|高利貸をして、福田が家資分産の訴えを起さしめ、かくして彼の一身を縛り、また公権をさえ褫奪して彼をして官途に就く能わざらしめ、結局|落魄して郷里に帰るの外に途なからしめんと企てたり。
福田英子 妾の半生涯 青空文庫
何で官途を罷めて、さうしてそんなに貧乏してゐるのか、様子が有りさうぢやないか」「話したところで狂人には解らんのよ」 荒尾は空嘯きて起たんと為なり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
太守は箱を受け取り開きみると、一帖あり、汝わが十世の孫の貧を救え、われ汝の堕梁の厄を救うと書き付けたを見て、太守は活命の恩を拝謝し、袁天綱の十代めの孫を薦めて官途に就かせ、活計を得せしめたという(『淵鑑類函三二三』)。
南方熊楠 易の占いして金取り出だしたること 青空文庫
が、結局古川の斡旋で、古川部下の飜訳官として官報局に出仕したのが明治二十二年の夏であって、これから以後の数年は生活の保障に漸く安心して暫らく官途に韜晦し、文壇からは全く縁を絶って読書に没頭する事が出来た。
内田魯庵 二葉亭四迷の一生 青空文庫