齢老
よわいろう
名詞
標準
文例 · 用例
初めの間は自から制するようにして居たが、自然に減じて飲みたくも飲めなくなったのは、道徳上の謹慎と云うよりも年齢老却の所為でしょう。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
わが齢老けたるを、夜深く覚ゆると言ふ懸け詞でもなくて、而も気分だけはやはりそれに這入つてゐる。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
沼之上の家で皆が待っていますよ」「そうはゆかぬ」「どうしてお爺さん、そのわけ聞かせてくださいよ」「お前に話しても理解はゆくまいがな、わしは沼之上の家を出て以来、この信州と上州の国境に聳える横手山の洞窟に齢老いた野守と夫婦の暮らしを営んでいる。
— 佐藤垢石 『岩魚』 青空文庫
蚊遣香のにほひが、またひとしきり強く漂つてきた時、窓の外で、何やらこと/\と不祥事を予感せしめるやうな音が伝はり、さきの齢老いた爺とおぼしい声で、「この野郎また捕つてきやがつた。
— 飯田蛇笏 『薄暮の貌』 青空文庫